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塾長

トマトの効能

トマトの栄養と効能


リコピン 美肌づくりや生活習慣病の予防・改善

 真っ赤に熟したトマトには、リコピ

ンがたっぷり含まれています。

 リコピンはトマトの赤色のもととな

る成分で、野菜の赤・黄・橙色などの

色素であるカロテノイドの一種です。

 リコピンには、強い抗酸化作用があ

り、増えすぎた活性酸素によるシミや

しわ、免疫機能の低下などの予防・改

善に効果があります。

 また、動脈硬化や心筋梗塞を防ぐ効

果も期待できるでしょう。

 なお、完熟していないトマトは常温

に置いて追熟させることでリコピンを

増やせます。


βカロテン

粘膜・皮膚の健康維持や免疫力の向上


 βカロテンは緑黄色野菜に含まれる

色素で、リコピンと同じくカルテノイ

ドの一種です。

 βカロテンは体内で必要な分だけビ

タミンAに変換されるため、ビタミン

A不足によって起こる視力の低下や夜

盲症を予防する効果が期待できます。

 また、ビタミンAは皮膚や粘膜、免

疫機能を正常に保つため、口や鼻、喉

のほか、肺や胃腸の健康維持にも欠か

せません。

 さらに、ビタミンAは皮膚の新陳代

謝を促すため、健やかな美肌づくりの

ためにも意識して摂りたい栄養成分で

す。


ビタミンC

抵抗力の向上や老化の防止


 生トマトはビタミンCが豊富です。

ビタミンCはストレスや風邪に対する

抵抗力を強めるほか、鉄やカルシウム

の吸収をよくする働きがあります。

 また、ビタミンCはコラーゲンの合

成に必須の栄養素であり、日焼けの原

因となるメラニン色素の生成を抑える

ため、美容や老化防止の効果も期待で

きるでしょう。


カリウム

むくみや高血圧の予防・改善


 トマトにはミネラルの一種であるカ

リウムも含まれます。

 カリウムは摂り過ぎたナトリウムを

尿として排せつする作用があるため、

むくみや高血圧の予防・改善効果が期

待できるでしょう。


食物繊維

腸内環境の整備や

コレステロール値の改善


 第6の栄養素と呼ばれる食物繊維に

水に溶けやすい水溶性と、繊維質で

溶けにくい不溶性があります。

 トマトは水溶性食物繊維と不溶性食

物繊維ともに豊富です。

 ペクチンという水溶性食物繊維には

血中コレステロール値を下げる働きが

あります。

 ちなみに、肉厚なトマトの独特な食

感は、ペクチンによるものです。

 不溶性食物繊維は便のかさを増やし

て便通をよくし、腸内環境を良好に保

つ効果が期待できます。


トマトの効能を高める

おすすめの調理法や食べ方


フレッシュトマトを皮ごと食べる

 生のトマトに豊富に含まれるビタミ

ンCは熱に弱い特性があります。

 そのため、トマトからビタミンCを

効率よく摂取したい場合は、生のまま

食べるのがおすすめです。

 リコピンやβカロテンは皮にも多く

含まれるため、できるだけ皮ごと食べ

るとよいでしょう。

 ただし、皮は実と比べて消化吸収さ

れにくいため、胃腸が弱い人は食べ過

ぎに注意してください。


オイルをかけて食べる

 リコピンは油に溶けやすい性質があ

り、油と一緒に食べると体内への吸収

率が増します。

 そのため、トマトはオイルをかけた

り、油で調理するのがおすすめです。

 イタリアをはじめ地中海料理でもお

なじみのオリーブオイルは油の中でも

とくに酸化しにくく、トマトと相性が

よいといわれます。


おすすめのレシピ例

1)トマトサラダ

  (オイル系ドレッシング)

2)カプレーゼ


 トマトとモッツァレラチーズ、バジ

ルにオリーブオイルをかけて食べるカ

プレーゼなどは、栄養面から見ても、

リコピンを効率よく摂取できる食べ方

といえるでしょう。


加熱調理する

 トマトを加熱すると細胞壁が柔らか

くなって壊れ、リコピンが体内で吸収

されやすくなります。

 そのため、トマトのリコピンを効率

的に摂取したい場合は、焼く・炒める

・煮る・蒸すなど、加熱調理がおすす

めです。

 前述の通り、リコピンは油と合わせ

ると体内への吸収率が高まるため、良

質の油を使って調理するとよいでしょ

う。


おすすめのレシピ例

1)トマトのグリル

2)トマトソースのパスタ

3)トマトと卵の炒め物

4)鶏肉のトマト煮込み

5)トマトピザ


トマトは加熱調理するとかさが減り、

たくさん食べられるメリットもありま

す。


トマトの栄養や食べ方についての

Q&A


Q1

トマトを食べ過ぎるとどうなる?


 いくら栄養が豊富でも、トマトの食

べ過ぎは体によくありません。

 トマトを食べ過ぎると以下のような

症状が出ることがあります。


1)水分が多い → 体が冷える

2)食物繊維が多い

  → 消化が悪くなり便秘や下痢に

    なることも

3)シュウ酸が含まれる

  → 胆石や尿路結石になるリスク

    がある

4)βカロテンの摂りすぎ

  → 手足の裏が黄色くなる

5)アセチルコリンが作用

  → 人によってはかゆみやじんま

    しんの症状がでることも


 いずれも適量の範囲内であれば問題

ありませんが、食べ過ぎによってリス

クが高まるため、他の緑黄色野菜など

もバランスよく摂るとよいでしょう。


Q2

トマトは1日に何個まで?

適量の目安は?


 リコピンの1日当たりの目安摂取量

は15~20㎎です。

 このことから考えると、適量の目安

はMサイズのトマトなら1日当たり2

個、ミニトマトであれば10~15個

となります。

 トマトは食べ過ぎると前述のような

リスクも高まるため、一度にたくさん

食べるより、適量を継続して摂ること

を心がけましょう。


Q3

ミニトマトの栄養は

通常のトマトと異なる?


 ミニトマトに含まれる栄養成分は、

通常のトマトと同じです。

しかし、100g当たりの栄養成分含

有量はミニトマトのほうが多くなりま

す。

 ミニトマトはサラダやメインの彩に

したり、お弁当にも生のまま入れやす

いため、常備して積極的に使うとよい

でしょう。


Q4

加工食品でもトマトの栄養は摂れる?


 ケチャップやトマトジュース、水煮

など、トマトの加工食品も栄養成分が

豊富です。

 トマトの品種を大きく分類すると、

店頭に並ぶ生食用トマトと、工場でジ

ュースや缶詰などに加工される加工用

トマトがあります。

 加工用トマトには生食用の約3倍も

のリコピンが含まれており、栄養が豊

富です。

 加工によって熱に弱いビタミンCは

減るものの、食物繊維やβカロテンも

摂れます。

 加工することで栄養がぎゅっと凝縮

されるため、加工食品を上手に使うこ

とで手軽に効率よくトマトの栄養を摂

取できるでしょう。

 なお、ケチャップなど加工時に食塩

で味をつけるものは塩分が高くなるた

め、使いすぎには注意してください。


まとめ


 トマトにはリコピンをはじめ、βカ

ロテンやビタミンCなど、健康維持や

美容にうれしい栄養成分がバランスよ

く含まれています。

 この記事では、トマトの栄養成分と

ともに、効能を高めるおすすめの調理

法や食べ方も解説しました。

 ただし、食べ過ぎると体を冷やした

り、お腹を壊したりするリスクがあり

ます。

 適量を継続して食べるように心がけ

るほか、栄養価の高いミニトマトや加

工食品を取り入れるのもお薦めです。

 記事を参考に、さまざまな食べ方で

栄養たっぷりなトマトを楽しんでくだ

さい。


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