~ポモドーロテクニック~
長時間にわたる作業が見込まれてい
る時は、「どれぐらい集中すべきか」
「休憩はどんなタイミングでとるべき
なのか」が大切になってきます。
そういった時間配分について指針と
なるのが、「ポモドーロテクニック」
です。
これはイタリアのコンサルタント、
フランチェスコ・シリロによって考案
された方法で、ポモドーロとはイタリ
ア語で「トマト」のことです。
シリロが学生時代に、トマト型のキ
ッチンタイマーをセットし、時間を区
切って試験勉強をした経験がもとにな
っています。
タイマーさえあればかんたんに実行
できます。
~作業25分+休息5分~
シリロは、持続可能な集中時間と休
憩時間の回数などを分析し、人にとっ
て最大限の生産性と効率性を引き出せ
る時間が「作業25分+休息5分」で
あると結論づけました。
この「25分+5分」の1セットを、
「1ポモドーロ」とします。4ポモド
ーロをこなしたら、15分~30分の
長い休憩をとるようにします。
そして、このサイクルを1日に数回繰
り返せば、作業を効率よく進めること
ができます。
~4つの効果~
ポモドーロテクニックには、4つの
効果があるとされています。
1.集中時間の定着25分という時間
が決められているので、その間中ず
っとほかのことを考えないで作業に
集中する習慣が身につきます。
2.時間に対する不安の解消作業時間
に終わりがないと、「やり続けなけ
ればならない」という不安やプレッ
シャーが生じます。
「25分間」という時間を設定す
ることで、前向きな気持ちに切り替
わります。
3.休息ダレの防止休息時間が長すぎ
るとかえってダラけてしまいます。
休息も「5分間」と決まっている
ので、またすぐ作業に入る気持ちに
戻ります。
4.時間内のキャパシティの把握
ポモドーロテクニックの習慣が身
につくと、自分が一度にこなせる作
業量や作業にかかる時間の目処がわ
かってきます。
「25分間で報告書1枚」という
ように自分の処理能力を把握してお
けば、さまざまな作業で目途が立て
やすくなります。
~ポモドーロテクニックを練習~
以下の5つのステップに沿って、ポ
モドーロテクニックを練習して見まし
ょう。
①実行するタスクを決める(例:英語
の勉強をする)
②タイマーを25分に設定する
③タイマーが鳴るまでタスクを行う
④5分間の休憩を取る
⑤ポモドーロを4回こなした後に、長
い休憩(20~30分)を取る
コツとしては、まず必ずタイマーを
使用することです。携帯のアプリにも
あるので、ぜひ試してみてください。
休息時は「まったくなにもしない」
ようにすることも大事です。
その時間帯に別の作業をしたり、あ
れこれ考えたりすると、脳が休む時間
をとれず、疲労してしまいます。
深呼吸する、瞑想する、お茶を飲む
など、仕事とはまったく関係ないこと
をして、脳を休ませてください。
電話や来客などで、やむをえず作業
を中止することがあります。「外的中
断」と呼ばれます。
また、「メールをチェックしなけれ
ばならない」「だれかに連絡する必要
を急に思い出した」など、自分の意思
で止めてしまうこともあるでしょう。
「内的中断」と呼ばれます。
こういった中断があると、ポモドー
ロの効果がなくなってしまいます。
シリロは、特に「内的中断」には注
意しなければならないとしています。
なぜなら、心に焦りや不安をもった
ままで作業を進めようとすれば、気が
散ってしまい、今やっていることを先
延ばしする原因につながってしまうか
らです。
~休憩にすること~
休憩にどのようなことをするのかに
ついては、さまざまな研究がされてい
ます。
・立って歩く
肉体労働を除くと、大半の人は勉強
や仕事をする時は「座りながら」取り
組んでいるでしょう。
米カリフォルニア大学ロサンゼルス
校のシッダー氏らは、幅広い年齢層の
男女を対象とした調査によって「座り
すぎ」が記憶形成に悪影響を及ぼして
いることを明らかにしました。
1時間に5分程度歩き回るだけで、
副交感神経が優位になり、脳にリラッ
クス効果がもたらされるとされます。
・水分補給
米コネチカット大学のアームストロ
ング博士らは、身体の水分不足が原因
で集中力やモチベーションが減退する
可能性を指摘しています。
対策として学習に集中する前に0.5
リットルの水分補給が作業効率を高め
ることが明らかにされています。
喉が乾いている自覚がなくても、身
体からは常に水分が失われ続けている
ので、休憩時はこまめな水分補給を心
がけることが大切です。
・瞑想
最近では瞑想によって、思考や意思
決定などを担う脳の部分が活性化され
ストレスホルモンが抑制されるといっ
た効果が実証されています。
リラックスした姿勢で、呼吸に意識
を集中させ、ゆっくりと深く息を吸っ
たり吐いたりするようにします。
頭に何か考えごとが出てきたとして
も、その状況を慌てずに受け入れ、意
識をゆっくりと呼吸へと戻し、繰り返
すことで、安定した気持ちになるとさ
れます。
~最も大切なこと~
この「ポモドーロテクニック」を継
続することが最も大切なことです。
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